彦根城の天守で12月12日、恒例の「すす払い」が行われた。今年は滋賀県内の瓦施工業者で構成する県瓦工事協同組合の組合員たちが初めて参加し、身を乗り出して庇(ひさし)をきれいにした。
天守にたまった1年間分のすすやほこり、ちりを竹ほうきやシュロほうきで払う行事。今年は県瓦工事協同組合のメンバー13人と彦根城運営管理センターのスタッフ23人がそろいの法被を着て参加した。
例年は彦根城運営管理センターの作業員たちが命綱を付けて二層と三層の屋外の作業を行っているが、今年は県瓦工事協同組合に加盟する瓦施工業者の瓦職人たちが屋外の作業を担当した。
職人たちはフルハーネスを装着して二層と三層の窓から身を乗り出し、シュロほうきを使いながら庇部分のすすを払った。併せて、同センターの作業員たちは天守内の柱上のほこりやクモの巣を払ったり、床をふいたりした。
天守で「すす払い」を行う瓦職人たち同センターの宮川敏明所長は「例年は瓦の上に立ってまで作業ができないので、今年は届かない場所のすすを払ってもらえた。これで心新たに新年を迎えることができる」と話す。