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彦根で旭堂南風さん新作講談お披露目 井伊直弼の物語、鮮やかに

講談師の旭堂南風さん

講談師の旭堂南風さん

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 彦根藩の藩主であり、幕末の大老として活躍した井伊直弼の幕末期の生涯を描いた新作講談「井伊直弼伝 ちゃかぽん殿様の一大決心」のお披露目公演が2月27日、料亭旅館やす井(彦根市安清町)で行われた。

講談の様子

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 彦根の歴史と文化を「講談」を通して広く発信しようと、「粋屋やす井」(平田町)が企画した同公演。昨年秋、滋賀県在住唯一の講談師、旭堂南風(きょくどうなんぷう)さんに「井伊直弼公」を題材にした講談を依頼。同社の思いに共感した南風さんは新作を書き下ろし、この度、完成に至ったという。

 講談は約45分の大作で、ペリー来航から始まる激動の幕末を背景に、開国か攘夷(じょうい)かで揺れる日本、「日米修好通商条約」締結に至る経緯、安政の大獄、桜田門外の変といった緊迫した幕末の様子、大老として決断を迫られる直弼の苦悩や葛藤を軽快な語り口調で表現した。「ちゃかぽん殿様」の愛称で知られる直弼の優しい人柄やエピソードも語られた。

  講談では、場面が変わる時には張り扇(はりおうぎ)で釈台をたたき、登場人物に合わせて声色を使い分ける。時に現代社会と重ね合わせて風刺を効かせ、歴史的事実に基づきながらも独自の解釈を加えた演出など、熱のこもった語りが繰り広げられた。会場には、南風さんの講談に熱心に聴き入る観客の姿が見られた。

 参加した彦根観光協会の木村昌弘会長は「いい内容の講談だった。市民の方にも彦根の歴史や直弼公の功績を知っていただく機会として、ぜひとも(公演を)セッティングしていきたい」と感想を述べ、粋屋やす井の上田勝之専務は「世界遺産登録を目指す彦根を、新たな文化発信でさらに盛り上げていきたい」と決意を述べた。

 南風さんは「今後もさまざまな場所でこの講談を披露し、広く彦根の魅力をアピールしていきたい。世界遺産登録を目指す彦根の文化発信の一環として、この講談を活用してもらえれば」と意気込みを見せた。

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