
現役住職による漫才コンビ「えしんりょう」が6月1日、聖徳寺(彦根市日夏町)で笑いを交えながら仏教の教えをひもとく「坊さん漫才」を披露した。
「えしんりょう」は、名古屋市中川区の隨縁寺住職・土井恵信さんと、一宮市の養蓮寺住職・中村亮さんの漫才コンビ。もともと土井さんが、説法中に寝てしまう人を見て、「楽しく法話を聴いてもらえれば」との思いで2015(平成27)年、漫才形式での法話を始めたのがきっかけ。その後、大学の同級生だった中村さんとコンビを組み、「坊さん漫才」として活動を始めた。以来、口コミなどで評判が広がり、月2~3度、全国の寺院や高齢者施設等を訪問している。漫才や歌、法話を組み合わせ、笑いと共に仏教の教えを分かりやすく身近に伝えている。
土井さんが「ボケ」で中村さんが「ツッコミ」を担当し、M-1にも挑戦経験のある同コンビ。この日は、日頃の寺院での出来事や悩みを題材に、自虐ネタを交えた軽快な漫才で仏教の教えを説いた。「報恩講でお昼ご飯を食べたら帰ってしまう参拝者を『食い逃げ』というんですよ」など、寺の行事では、午後から人が減ってしまうことを笑いに変えていた。後半は、土井さんがギターを演奏し、オリジナルソングも披露した。
町内の女性門徒は「楽しくて、飽きずに話を聞けた。孫も誘えば良かった。機会があればまた聞いてみたい」と話していた。
善楽寺の天谷昇道住職は「寺に気軽に足を運んでもらえるきっかけをつくりたいと日頃から考えていたところ、2人のことを知り、ぜひ来ていただきたいと思って声がけした」と話す。
漫才を終えた2人は「とても温かい皆さんで、楽しく漫才ができた」と笑顔を見せた。「かつて寺は人々が集うにぎやかな場所だった。昔のように、地域のコミュニティーとして寺が機能できればという思いで活動を続けている。10年間活動を継続してきて、多くの方々に育てていただいた。これからも、『楽しいお寺』へ来ていただけるきっかけを作れるよう活動していきたい」と意気込みを見せる。