多賀の山中で森林浴を楽しむ「GO TO FOREST!~多賀の癒やしの森で、森林浴を体験しよう!」が11月1日、多賀の高取山ふれあい公園(多賀町大字藤瀬)で行われた。主催は多賀森林循環事業協同組合。
同組合は2020年9月、持続的な森林保全と森林経営、森林資源の循環利用、未来の世代に多賀の森を残していくことを目的に発足。森林環境を使って心身を癒す「森林浴体験サービス」など、森林サービス分野への活動の幅も広げている。
当日、参加者たちはグループ分けなどを兼ねた開始前のオリエンテーションで打ち解け、山中で「森歩き」を体験。森林浴ガイドの林莉香さんのアドバイスを受けながら森林浴を楽しんだ。
森に漂う香りを感じたり、木漏れ日や木々の葉を眺めたり、森の音に耳を澄ませたり、木の幹や葉や川の水に触れるなど、五感を意識して歩いた。意図的に目を閉じて歩くことで、視覚以外の感覚が普段よりも敏感になる体験も味わった。
林さんは「森林浴とは、森の中で五感を使い、心身の健康増進を図る日本発祥のリフレッシュ法。樹木が放つフィトンチッド(植物が自分を守るために放つ香り成分)には、ストレスを和らげたり、免疫力を高めたりする効果があるとされている」と説明する。
森の中でゆっくりと寝転がる安息タイムも体験。ゆったりと寝転び目を閉じ深呼吸をすることで、より深くリラックスした参加者の様子が見られた。林さんは「森林浴はリラックスするために、意識的に五感を使いながら森に入るという『新しい森への入り方』。自然の中に身を置くことで、森とのつながりや一体感、そして自分が自然の一部であることを感じていただけるとうれしい」と思いを語る。
プログラム最後には、多賀町産の地元食材を使った弁当が振る舞われ、参加者たちは和気あいあいと食事を楽しんだ。
愛荘町から参加した60代男性は「こんなに近くに自然を感じられる山があるなんて知らなかった。ただ山を歩くだけでなく、五感を使ってじっくりと森を感じることでとてもリフレッシュできた」と感想を述べた。
組合員で多賀町地域おこし協力隊員の竹廣直久さんは「多賀町は町面積の86%が森林。初心者から上級者までの森林が好きな人がいろいろな楽しみ方ができる場所になっている。多賀に森林浴を体験しに来ていただければ」と話す。