「第72回ひこねの城まつりパレード」が11月3日、彦根城周辺一帯で開かれた。
パレードには市民ら約600人が参加し、武者行列や、マーチングバンドなどが披露された。彦根市のキャラクター「ひこにゃん」は、親善都市である水戸市のキャラクター「みとちゃん」やライバル役の「わるにゃんこ将軍」などのご当地キャラクターと共に登場。沿道に集まった9万6000人の観客に手を振って応えていた。
11ある部隊のうち、先頭を務めたのは近江高校吹奏楽部によるマーチングバンド。出発前に顧問の樋口心さんは「先頭を務めるのは久々。先頭としてパレードを盛り上げたい」と意気込みを話していた。「琵琶湖周航の歌」をアレンジしたファンファーレを演奏した後、パレードが出発した。
続く武者行列では、彦根藩初代藩主である井伊直政の役を俳優の渡辺大さんが演じた。甲冑(かっちゅう)姿で馬に乗った渡辺さんは「井伊の赤備え」に扮(ふん)した武者行列を率いて、彦根城前に到着。「一同、勝ちどき上げよ!」と声を上げ、パレードの参加者や沿道の観客を鼓舞した。このほか、大老を務めた井伊直弼の行列や彦根鉄砲隊も登場。市内の大学に通う交換留学生も武者行列に参加した。
地元小学校6 年生児童による子ども大名行列・時代風俗行列が続き、さまざまな衣装をまとい、街なかを練り歩いた。奉行役を務めた近藤優有さんは「馬に乗るのは怖かったけど、慣れてきて、いろいいろな人が手を振ってくれて、楽しかった」と話していた。
列の後半では地元の城東小学校と旭森小学校の児童がマーチングバンドを披露。金管楽器を演奏した中田知里さんによると、1年近く練習を続けてきたという。同じくパレードに参加した大東未歩さんは「トランペットを吹いて、練習の時よりうまく吹けた。いろいろな人と会えて楽しかった」と振り返った。
当日は朝から雨が降っていたが、午後には雨がやみ、パレードは予定通り実施された。担当した彦根観光協会の清水健一郎さんは「天気がかなり心配だったが、開催時間中は降らず、ほっとしている」と胸をなで下ろした。
清水さんは、同パレードを8年以上担当。コロナ禍や交通事情の変化、予算面などの課題の中でも、配列の工夫やパレードコースの見直しなどを行い、イベントを継続してきたという。清水さんは「パレードを通して彦根らしさを感じてもらえたら」と話す。