人材不足などのさまざまな課題を抱える福祉事業者を対象にした展示会「ICT・DX見本市~デジタルでつなぐ支援の未来~」が11月28日、プロシードアリーナHIKONE(彦根市小泉町)で開かれる。
当日は、33の企業や団体が、AIを活用した福祉業界向けの情報サービスやICT技術などを出展する。主催は、彦根市や犬上郡など湖東地域の障害福祉に関する課題解決に取り組む「湖東地域障害者自立支援協議会」。
会場では、電話を自動録音して記録するサービス、クラウドとAIを連携させて企画の素案を作成するサービスなど34ブースが出展する。中でも、介護業界における夜間巡視の負担軽減と利用者の安心を目的とした「見守りセンサー」は、モニタリングやセンサーを使って見守りを行う。そのほか、AIを活用して会議の音声を認識して自動で要約し、議事録を作成するサービスなども紹介する 。
湖東地域には大・小の福祉事業者が存在するが、人材がなかなか集まらないうえ、定着しないという問題が複数の事業者で生じているという。加えて、支援中は事務作業の時間が取れず、煩雑な事務作業の時間が残業の増加につながることもあるという。事務局長の吉川知則さんは「AIなどのツールを導入することによってできた時間を、利用者とより多く接する時間に充てられるようになれば」と期待を寄せる。
コストやセキュリティー面などの理由から導入をためらう事業者も多く、DX化について悩みや疑問を相談できる「サポートサービス」を設けるほか、実際に活用した事例を紹介するなどのセミナーも同時開催する。
吉川さんは「AIやICT技術に対する不安や誤解を解消してもらいたい。DX化によって職員の負担軽減や、人材の採用・定着につながり、湖東地域をはじめ、滋賀県全体が働きやすい環境に変わっていければ」と話す。
開催時間は10時~17時。入場無料。途中の入退場は自由。