孔版画(ガリ版)で制作された年賀状などを展示する「孔版画年賀状展」が12月5日から、彦根の洋画家・島戸繁さんの旧宅を改装した「Gallery&Cafe然(ぜん)」(彦根市本町2)で開かれる。主催はサンライズ出版(鳥居本町)。
サンライズ出版の創業者、岩根豊秀さんが愛した「孔版画の魅力」を伝えようと開く同展。岩根さんは独学で孔版を学び、作品作りのほか、ポスターやパンフレットなどの商業美術印刷を手がけるなど、孔版技術を事業に生かしてきた。昨年には同所で「孔版作品で映す昭和の彦根」と題した展示を開催し、多くの来場者を集め好評を得たという。
今回は、岩根さんの残した孔版作品や年賀状の見本帖、1960(昭和35)年に行われた「年賀状交換会」で交換された、全国のガリ版愛好者たちが作った年賀状などを展示。会場には、その時代のデザインを映し出した、手作業ならではの「温かみのある」絵柄の年賀状が並ぶ。ガリ版作家として活躍する水口菜津子さんの作品も展示する。
会期中の12月13日には、水口菜津子さんを講師に迎え、ガリ版で年賀状を作るワークショップを実施する。水口さんは今年6月に開催された大阪・関西万博「関西パビリオン」でガリ版体験を実施。体験会は長蛇の列ができるなど注目を集めたという。
サンライズ出版の岩根順子社長は「孔版画という素朴で懐かしい表現技法の面白さや、手作業ならではのぬくもりを、多くの方に感じてもらう機会になれば」と話す。
開催は12月14日までの金曜~日曜(12月5日~7日、12日~14日)。開催時間は10時~16時。入場無料。ワークショップは10時30分~12時と13時30分~15時。参加費は1,000円(各回定員5人、小学生以上)。申し込みフォームで受け付ける。