型紙から縫製までを全て手作業で行うシャツ専門店のアトリエショップ「COMMUNE(コミューン)」(彦根市大薮町)で現在、全国の作り手が参加する展示販売イベント「OWN TOOLS」が開催されている。「道具」をテーマに、衣服や絵画、家具、古道具など、多様な作品を展示・販売する。
店主の久米勝智さんは「作り手が仕事の延長で生み出したものや、自分のために作った道具に強く引かれてきた。それらを一度に集めてみたら、どんな景色になるのかを見てみたかった」と企画のきっかけを話す。開催は今回で3回目で、初参加の作家も加わった。
店内には、滋賀を拠点とする作家のほか、岡山、東京、鹿児島など全国各地の作り手による作品を並べる。明治・大正時代の家具や中国の古い道具など、珍しい品々のほか、作り手同士のつながりから生まれた作品も多く、一点一点に背景となるエピソードや思いが込められている。
久米さんは「穏やかな環境や、周りにいる人からも影響を受けながら物を作っている」と自身の作品作りを振り返り、「作品(道具)作りは、住んでいる地域によって作る物も変わる。それが面白い」と話す。
琵琶湖と畑を望む同店は、もともと久米さんの母親の実家があった場所。「作り手の顔が見える物は、壊れても直しながら使い続けられる。長く付き合える物に囲まれた生活は豊か」とも。
久米さんは「すてきな作家たちがいることを知ってもらえたら。各地の作家の作品が集まることは、なかなかない機会なので、ぜひ足を運んでもらえれば」と来店を呼びかける。
期間中の店休日は12月18日、24日、25日。会期中の20日には生花を販売するほか、27日には店内でコーヒーとカヌレの提供を予定する。
営業時間は11時00分~19時00分。12月28日まで。