ひこにゃんによる恒例の餅つきが12月19日、彦根城の東にある玄宮園(彦根市金亀町)で行われた。
主催は彦根城や同園を管理する彦根城運営管理センター。使用したもち米は、今年5月から10月にかけて同園内の田んぼで栽培・収穫されたもの。
餅つきの開始前には、集まった職員と「ひこにゃん」で「エイエイオー!」と気合いを入れた。ホカホカに蒸し上がった米を臼(うす)に入れ、まずは同センターの職員が餅をついた。餅がつきやすいよう手で裏返していく「手返し」の役を10年以上担当している饗場(あいば)茂司さんは「周りにもち米が飛び散らないよう、米をつぶしていく『穀つぶし』が十分できるかが重要」と話す。
続いて「ひこにゃん」が餅つきを行った。準備体操をして気合十分の「ひこにゃん」は、重い杵(きね)を持ち上げ、元気いっぱいに餅をついた。その姿に、周りの観客は温かい声援を送っていた。中でも埼玉県から訪れた山本夏目君は、ひときわ大きな声で「頑張れ-!」と応援。少し疲れも出そうな頃だったが、ひこにゃんは元気を取り戻し、楽しそうに餅をついた。
愛知県清須市から来た鈴木かづきさんは「餅が餅をついているみたいでかわいい」と笑顔を見せた。つき上がった餅には「きな粉」をまぶし、ひこにゃんが観客へ振る舞った。
餅つきが終わった後の「ひこにゃん」に、「一仕事終えた今の気持ち」を尋ねると、鈴を鳴らしたり、手を振ったりして、達成感を表した。
同センターの宮川敏明所長は、多くの観客が餅つきに来たのを見て、「今年も平穏に終えられた。この勢いで来年も多くのお客さまに来てほしい」と期待を込める。
ついた餅は「鏡餅」にして、彦根城内や御茶座敷などに飾る。