井伊直弼の茶の湯の「石州流」を学ぶ「彦根一会(いちえ)流」が3月5日、井伊家の菩提(ぼだい)寺でもある清凉寺(彦根市古沢町)で「柳王忌会(りゅうおうきえ)」を開催し、会員らが直弼の功績をしのんだ。
現在、彦根市は「井伊直弼公の功績を尊び茶の湯・一期一会の文化を広める条例」の制定を目指しており、彦根一会流はその条例の請願にも参加。直弼の偉業をしのび、2021年10月31日、直弼が青年期に過ごした埋木舎で開催して以来3回目の忌茶会を企画した。
直弼は埋木舎を「柳和舎」「柳王舎」(いずれも「やぎわのや」)と呼んでいたため、今回は柳王忌会と名付けた催事を開催。本堂で行われた「献茶」と「直弼公の法要」では厳かな雰囲気の中、彦根一会流 樹聖会(じゅせいかい)の川嶌順次郎前会長が台子(だいす)の点前を披露。川嶌前会長から尾本吉史会長へ茶が渡され、最後は清凉寺の村瀬行寛住職が本堂裏の直弼の位牌前に献茶した。その後、再び本堂に戻って、村瀬住職により直弼の法要が営まれた。
「龍鳴(りゅうめい)の間」では和田裕行市長や現当主の井伊直岳さん、村瀬住職らを招き「忌茶会」が行われ、参加者は作法に則って菓子と茶を味わった。和田市長は「条例の制定を経て、今後はさまざまな流派が参加してのお茶会を催すことができれば」と話した。
彦根一会流は今後も直弼の命日に合わせて、毎年3月の第1日曜に忌会を予定。