デジタル版の「ひこにゃんえほん」3冊が完成し、3月29日、作者のもへろんさんが彦根市役所でお披露目した。絵本は彦根市内の幼保園や小学校に配布され、読み聞かせなどで活用される。
彦根市がもへろんさんに依頼する形で制作された絵本は「ひこねのよいにゃんこのおはなし」「よいにゃんことどろちゃんのおはなし」「よいにゃんことわるいにゃんこのおはなし」。
1冊目はひこにゃんが誕生するまでを16のシーンで描いた。2冊目はひこにゃんとお城に入った泥棒(どろちゃん)が対峙(たいじ)する様子を22のシーンで表現。いずれもこれまでに出版されていた絵本のリニューアル版。
3冊目は善役のひこにゃんと悪役のわるにゃんこ将軍が登場する21のシーンから成る新作。ひこにゃんがまちで悪さをしているといううわさが流れ始め、被害者・目撃者も現れ、どんどん立場が悪くなってくるひこにゃん。そして、ひこにゃんはついにお城から姿を消す。真相解明に乗り出す殿様により、その真実が明らかになるというストーリー。
もへろんさんは「15年前から考えていた構想」と説明したうえで、「皆さんの力を頂いて発表できることを感謝している。これからもひこにゃんワールドが広がるような仕掛けを考えている」と話す。
「子どもの頃、『不安な子ども』だったので、ひこにゃんのような友達がいつもそばにいてくれたら良かったのに、と思っていた。そんな思いが大人になってからもあり、キャラクターを創作するようになった。ひこにゃんは私の中では『守り神』のようなもの。子どもたちには、『温かく見守る存在として、ひこにゃんがいつもそばにいるからね』と感じ、勇気を持ってもらえれば」とも。
市内の保育園46園、こども園4園、幼稚園9園に電子データを送付し、各園でプリントアウトするなどして読み聞かせを行う。市内17小学校には図書室にひこにゃん絵本が入ったタブレット端末を設置。今後、絵本の出版も予定している。