無農薬栽培で育てる綿花「おうみこっとん」の苗を定植するイベントが5月27日、彦根市新海町の綿花畑で開催された。主催はセレクトショップ「おんど en no youni hirogaru」(彦根市中央町4)。
「おうみこっとん」は、綿作りを通して人の輪を広げる活動に取り組む「おうみこっとん夢つむぎ」が無農薬栽培で作る彦根産の「綿花」。毎年この時期に定植を行い、秋に収穫する。
「おうみこっとん夢つむぎ」主宰の澤とし江さんの理念に共感した「おんど」の福田弘治さん夫婦が、身に着けている綿の衣類が、綿花から糸を紡いでできることを子どもたちに体験してほしいとイベントを企画した。
当日は16人が参加。5列の畝に綿花の苗140株を定植した。晴天の下、土を懸命に掘り起こし、苗を優しく植える姿が見られた。定植後は室内で、過去に収穫した綿花から種を取り除く綿繰り(わたくり)体験や、糸を紡ぐスピンドルを使って糸にする作業を体験。参加した4歳の男児は「自分の植えた綿がどう成長するのか楽しみ。収穫してみたい」と笑顔を見せた。
弘治さんは「生産者の顔が見える、彦根産の無農薬綿花から糸を紡ぎ、肌や環境に優しい衣類を作りたい。澤さんの意志を引き継ぎ、自分たちも『おうみこっとん』を育てていきたい」と話す。妻の麻依さんは「農業未経験で、まだまだ分からないだらけで迷いもあるが、一つ一つ丁寧に取り組み、育てた綿花で、いろいろな『輪』を広げたい」と笑顔を見せる。
定植した綿花は9月ごろから収穫する予定。