ウクライナから彦根に避難しているイリーナ・ヤボルスカさんとその家族が5月27日、彦根のキャッスルロード沿いにウクライナ料理店「The Faina(ザ・ファイナ)」をオープンした。
(左から)イリーナさん、カテリーナさん、菊地崇さん、桐原ゆりさん=ウクライナ料理店「The Faina」オープン
イリーナさんは昨年3月、母親と共にウクライナから、娘夫婦が暮らす彦根へ避難。キッチンカーで母国の料理を提供してきたが、「戦争が終わったら、ウクライナに残っている夫のローマンさんを日本に呼び寄せ一緒に店を開きたい」と、家族のサポートの下、クラウドファンディングで支援を募り店を開いた。
内装はウクライナの昔ながらの古民家を目指し、DIYで壁塗りや床張りを行った。ウクライナの情景を描いた絵画や植物を飾り、「美しいウクライナの雰囲気を感じられるようにした」という。店はイリーナさん、娘のカテリーナさん、カテリーナさんの夫の菊地崇さん、ウクライナから日本へ避難してきた仲間や日本人スタッフたちと切り盛りする。イリーナさんは「不安も多いけど、みんなが食べてくれるとうれしい」と笑顔を見せる。
メニューは、クレープの生地でサーモンや鶏肉などを包んだ伝統料理「ムレンツィ」、野菜や肉、ビーツを使った赤いスープ「ボルシチ」、肉や野菜をゲル状にした豚足のコラーゲンで包んだミートゼリー「ボロデッツィ」などのウクライナの家庭料理が中心。ドリンクはフルーツジュース「ウズバル」やウクライナから仕入れた「オレンジワイン」なども用意する。デザートは一部テイクアウトに対応。
菊地さんは「この店を通じて、ウクライナのことを身近に感じてほしい。今後はウクライナの商品も取り扱い、復興の手助けができる存在を目指す。日本とウクライナの架け橋になるような店になれれば」と話す。カテリーナさんは「今もなお、ウクライナに残っているお父さんが安心して日本で暮らせるように頑張りたい」とも。
営業時間は、8時30分~14時、17時~21時(水曜は8時30分~14時のみ、土曜・日曜・祝日は10時~21時)。月曜・火曜定休。