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彦根「あおいふき」、産後の母親をサポート 手作りの総菜を量り売り 

「あおいふき」店主の柳生麻里さん。「あおいふき」は息子の青君と亡くなった娘のふきちゃんの名前からつけたもの。2人と一緒に歩んでいきたいという気持ちが込められている。

「あおいふき」店主の柳生麻里さん。「あおいふき」は息子の青君と亡くなった娘のふきちゃんの名前からつけたもの。2人と一緒に歩んでいきたいという気持ちが込められている。

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 産後の母親をサポートするため、地元野菜をたっぷり使った総菜を作り配達・販売している「あおいふき」(彦根市芹橋2)が足軽組屋敷エリアの一角にテイクアウト専門店をオープンして、6月27日で1カ月がたった。

「あおいふき」外観

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 店主の柳生麻里さんは大阪府出身。米原での地域おこし協力隊で活動後、彦根へ移住した。2018(平成30)年に産まれた長女が生後わずか74日で亡くなる辛い出来事を経験。闘病を通して「何気ない日常生活の大切さ」を実感したという柳生さんは、「特別ではなく何気ない日常のささやかなお手伝いがしたい」との思いで、自身も子育てをしながら、子育て中の母親をサポートする活動「あおいふき」を2019年から続けている。

 柳生さんは「見回してみると、身近なところでも子育てに奮闘している人が多くいることに気が付いた。大変な思いをしているお母さんたちを、直接伺って手伝いたいが時間的にも難しい部分もあり、曜日限定で営業する実店舗を持つことを決めた」と話す。

 柳生さんの作る総菜は、化学調味料を使わず、手間をかけて作られているしょうゆやみりんなどを使い、昆布とカツオで取っただしで煮炊きした煮物やポテトサラダやニンジンサラダなどの副菜、卵焼き、ミンチカツやハンバーグ、肉団子の甘酢かけなど、メインとなるおかずの家庭料理が中心。店では、その日にショーケースに並ぶ総菜を量り売りする。

 柳生さんは「『あおいふき』の総菜は特別なものではないが、丁寧に作る家庭料理。子育てなどで忙しい時間を過ごしている方が、だしを取るなど手間をかけた料理作りは大変」と思いを巡らせる。「料理をする時間をサポートすることで、お母さんたちが子育てなどに少しでもゆっくりと向き合える時間ができたり、体を休めたりできれば」と話す。「そのような時間の提供を『あおいふき』のサービスで手伝えるとうれしい。家事や料理、頑張りすぎないで」と呼びかける。

 総菜は50グラムから量り売り。持参した容器か有料容器に入れて販売する。営業日は、月3回木曜と月1回日曜で、インスタグラムで知らせる。

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