彦根城博物館前に12月21日、恒例「新春大生け花」が登場した。
手がけたのは華道・翠香流(彦根市本町)。毎年、新年を迎えるこの時期に「正月のしつらえ」として、大生け花を作っている。今年は同日8時から家元・御代翠萌(みよすいほう)さんと門下生6人が制作に取り組み、10時までにほぼ完成させた。
竹を5メートル四方で囲んだ「結界」の中に、竹や梅、ツバキ、アマリリス、アンスリュームなど計7種類の花や木を使って、来年の干支(えと)の辰(たつ)にちなんだ「下り龍」を表現。龍の口の部分には竹で作った宝玉も制作した。
完成前には「ひこにゃん」が登場し、多くの観光客が見守る前で最後の花を生ける「お手伝い」をした。ひこにゃんが御代さんと一緒に最後の花を生けると、詰めかけた観光客からは拍手と歓声が上がった。
御代さんは「昇り龍ではなく下り龍にした理由として、下り龍は天にある幸せを地上にもたらせるという意味があるとのこと。戦争など暗いニュースが続く中、来年こそは平和な世の中になるようにとの願いを込めた」と話す。
展示は新年1月14日まで。