多賀町在住の養蜂家の西川浩司さんが現在、農家の受粉作業に使うミツバチを増やそうと支援を募っている。
昆虫が好きで、農学の分野へ進学した西川さん。卒業後はサラリーマンとして就業したが、農業に携わりたい思いは消えず、ミツバチを育てる養蜂家との出会いをきっかけに教えを請い、2年前に養蜂家へと転身。現在はミツバチを育て、農家へミツバチを貸し出す「きゅうとく蜂育苑」を営んでいる。
ミツバチは花から花へと移動し、受粉を促す。「ミツバチは、しっかりと働いて、農家の人たちの助けになっている。人間の手で一つ一つ花に受粉しないといけない作業が随分と楽にもなるし、自然の力で自然の花粉で受粉するので安心」と西川さんは話す。
西川さんはミツバチを貸し出した後も様子を見に行き、巣箱の手入れをする。「ただ畑に放つだけでは死滅してしまうことも多い。丁寧にミツバチを愛(め)でることで、外部環境などにより死滅するのを防ぎ、繁殖させることにつながる」という。
2023年8月、農作物の受粉で使う中国産の受粉用花粉が病害で輸入停止となり、大量の花粉を各農家で自給・受粉する必要が出てきたという。西川さんは「手作業で受粉作業を行うのには人手が足りない。ミツバチの力を借り受粉を促せば、人手不足の解消にもつながる」と話す。
「受粉の問題を抱えている農家のために十分な数のミツバチを用意し提供できるようにするのが急務だが、そもそもミツバチの数が圧倒的に足りない。今後のためにもミツバチを増やし、農家を支える手伝いをしたい。どうか力を貸していただければ」と呼びかける。
クラウドファンディングで集めた資金は、より多くの農家へミツバチを貸し出せるよう、ミツバチの購入資金に充て、数を増やすために使う。リターンは、ミツバチを育てていく過程で取れる蜂蜜や瓶詰め体験などを準備する。蜂蜜は粗精製法で瓶詰めした国産純生蜂蜜。
キャンプファイヤーで1月31日まで、受け付ける。