季節の自家製酵母を使うパン店「ななばけ」が6月30日、中央商店街の古書店「半月舎」跡にオープンした。
店主の馬淵順子さんが作る8種~10種の焼きたてパンを並べる同店。手作りのドリンク(現在はうめジュース、はちみつレモン)やグラスワインも用意。店の一角ではハンドメードのアクセサリーや古書店「半月舎」の単行本を販売する。カウンターと椅子が用意したイートインスペースで、購入したパンやドリンクを飲食することもできる。
会社勤めをしながらアクセサリーやパンを作り、マルシェなどに出店していた馬淵さん。「会社勤めは何だか自分に合わないなと思っていた。いつか自分のペースで、心地良い働き方ができればと思っていた」と振り返る。
半月舎が同所で営業していた時には、月に何度か店番を手伝い、「自分が本当にしたいことは何なのか」を探りながら過ごしていたという。「ものづくりを続けていた中で、パン作りの工程が楽しくてパン作りにはまった。いろいろと試行錯誤しながらのパン作りが楽しくて、仕事にしたい気持ちが大きくなった。半月舎が移転し空き店舗になったのをきっかけに、独立してパン店を開くことを決めた」と話す。
馬淵さんは、その時その時に自分が作りたいパンや客からの要望を聞いて作るパンを決めている。そのため、同じパンが並ばないこともしばしば。現在は「シナモンロール」「オレンジピールとクリームチーズのぱん」「ななばけの特製あんぱん」を定番に、日替わりパンをそろえる。「小麦や材料の容量が多く、もっちりとした食感が特徴で、見た目よりもずっしりとしている」という。あんパンの中の餡(あん)は、「豆の味が残りつつ、甘さが感じられるよう気を付けて煮る」とも。
馬淵さんは「商店街にあるのでフラッと立ち寄ってくれる方もいて、接客も楽しい。気軽にお越しいただければ」と呼びかける。「一人で切り盛りしているので、レジ奥の作業場で作業していることも多い。遠慮なく声をかけてほしい」とも。
営業は金曜~月曜の11時~18時。