井伊家と島津家の歴史的なつながりを活用して都市間交流を進めようと、彦根市と鹿児島市が1月16日、彦根城内の楽々園の御書院棟で交流連携協定を締結した。両家当主の立ち会いで両市長が協定書にサインした。
江戸時代後期に起きた桜田門外の変では水戸藩と薩摩藩を脱藩した武士たちが幕府の大老職にあった彦根藩13代当主の井伊直弼を暗殺。直弼の首を取ったのが薩摩藩を脱藩して加わった有村次左衛門で、次左衛門の弟の末裔(まつえい)が滋賀県議会の有村國俊議長に当たる。
有村議長から彦根市と鹿児島市の両市長に交流についての提案があり、両市は江戸時代当時の歴史的対立を乗り越え、未来志向で交流を進めて両市の発展につなげようと連携協定を締結することで合意した。
締結式には彦根市の和田裕行市長、下鶴隆央鹿児島市長、立会人として井伊家18代当主の井伊直岳さん、島津家33代当主の島津忠裕さん、有村議長が出席。両市長が協定書にサインした。
下鶴市長は「未来志向でさまざまな交流ができると期待している」、和田市長は「おもてなしの気持ちで交流を進めたい」と、それぞれ語った。井伊さんは「微力ながら協力したい」、島津さんは「交流が末永く続くことを期待している」と述べた。