
障害者向けグループホームなどの障害福祉サービスを提供するビジョナリー(名古屋市中区)が主宰するキャンプコミュニティー「LIFE SCOUTS」が4月26日、彦根市の南三ツ谷地先で福祉キャンプイベントを開催した。
たき火でマシュマロ=「LIFE SCOUTS」福祉キャンプイベント(写真提供=ビジョナリー)
「キャンプで得られる自然の心地よさやたき火を眺める時間、仲間との談笑といった楽しみを、介護が必要な人や障害がある人、その家族にも体験してほしい」という思いから運営している同コミュニティー。安全で快適にキャンプを楽しめる場を提供し、参加者が自ら何かを行うことで成功体験を積むなど自立支援の一つとして活動しているという。昨年11月から愛知県などで開催し、彦根での開催は今回が初となる。
当日は晴天に恵まれ、障害者向けグループホーム「NOIEHIKONE(ノイエヒコネ)」(彦根市栄町)の入所者や家族を中心に18人が参加。加えて、名城大学の学生5人がボランティアとして参加し、施設の若手職員や「マッチョ介護士」らがサポートしイベントを盛り上げた。
参加者らは、テント設営、まき割り、まき拾いといった作業に、スタッフや家族と共に取り組んだ。昼食用に、発酵不要のスコットランドの伝統的なパン「バノック」作りを体験。自然豊かなびわ湖沿いの公園で、和やかな雰囲気の中、それぞれのペースで作業を楽しんでいた。イベントを通して、参加者と学生や若いスタッフとの間に笑顔があふれ、終始にぎやかな様子が見られた。
参加した家族からは「施設でこのようなイベントがあるのはありがたい。普段の生活では見られなかった子どもの表情や周りとの関わり方を見ることができ、成長を感じ、うれしい」、参加者からは「一日外で過ごせて気持ち良かった。いろいろ体験したが、たき火でマシュマロを焼くのが一番楽しかった」などの声が聞かれた。
名城大学ボランティア協議会の樋口義博さんは「いろいろと勉強になった。スタッフが明るくみんな元気なのが良かった。機会があればほかのメンバーも連れて参加させてほしい」と感想を述べた。
同社では今後も毎月、施設がある場所でキャンプを開催予定で、入所者だけでなく広く参加を呼びかけていく。