日本酒の蔵元「藤居本家」(愛荘町長野)が11月20日、新酒ができたことを知らせる緑色の「杉玉(すぎたま)」を軒先に掲げた。
藤居本家は1831年創業の蔵元で、愛知川の伏流水と地元産の酒米を使い、伝統の技で日本酒造りを行う。代表銘柄は「旭日(きょくじつ)」。大正時代に建てられた「東蔵」は国の登録有形文化財にも指定され、毎年秋には新嘗祭(にいなめさい)のお神酒を宮中に献上する栄に浴している。
杉玉は、酒造りの神様を祭る奈良県の大神神社(おおみわじんじゃ)に由来するとされ、酒林(さかばやし)とも呼ばれる。新酒が出来上がった頃、杉の葉を束ねてボール状にした新しい杉玉を軒先につるすのが慣例となっている。
つるされたばかりの新しい杉玉は、最初は青々とした緑色をしているが、時間の経過とともに枯れて茶色に変化していく。緑色の杉玉は、新酒(搾りたてのフレッシュな状態)ができたことを示し、茶色への色の変化は、新酒の熟成の進み具合を示すサインとされている。
出来立ての新酒は、「旭日 しぼりたて生原酒・辛口純米」(720ミリリットル、2,090円)、「旭日 しぼりたて生原酒・うまくち」「旭日 しぼりだて生原酒・にごり」(以上、同、1,881円)の3種類。新酒のフレッシュな味わいは、これから熟成が進むため、この時期にしか楽しめないという。
11月29日には、新酒の出来を披露する「杉玉フェスタ」を開催する。当日は、マルシェの出店もあり、新酒をはじめ同蔵元で造る10種類以上の日本酒を試飲できる(2,000円)。開催時間は10時~16時。
専務の藤居邦嘉さんは「今年も、米の味が感じられるいい出来になっている。搾りたて3種を皮切りに、この時期ならではの味を、ぜひお楽しみいただければ」と呼びかける。
営業時間は9時~18時。水曜定休。