学生が地域住民の「人生」を聞き、学生自身のキャリアなどこれからを考える授業が2月15日、滋賀県立大学(彦根市八坂町)で行われた。
集まったのは同大の1年~4年の学生71人と地域住民26人。12卓のテーブルに分かれ、世代を超えた対話が繰り広げられた。学生たちはあらかじめ作成した、これまでの人生の歩みを表す「折れ線グラフ」を用いて自己紹介。その後、地域住民もその場でグラフを作成し、自身の経験を振り返った。
同授業を企画した滋賀県立大学特任講師の上田洋平さんは「学生たちが多様な地域の人と出会い、それぞれの豊富な経験から、自身の将来へのヒントを得てほしい」と狙いを話す。
彦根市新海浜から参加した宇野道雄さんは、戦時中に機銃掃射に遭った過酷な体験や、就職時のエピソードを披露。地域住民らは、起伏の激しい折れ線グラフを指し示しながら、就職後の挫折や新たな職との出合いで訪れた転機など、「人生の物語」を学生たちに語り聞かせた。
その後も学生たちは各テーブルを回り、さまざまな住民の話に耳を傾けた。1年の山戸悠生さんは「地域の生の声を聞くことで、自分の世界が広がった」と話す。
プログラムの最後には、学生と住民が共同で「明日も好い転機のための7カ条」と題した宣言をまとめ、グループごとに発表。「好きなことは突き詰める」「やりたいことは声に出す」など、大きなパネルに記したスローガンが次々と披露された。
米原市で子どもの居場所づくりに取り組む梶谷早知さんは「うまくいっている時と、そうでない時のことを話した。自分なりにやりたいことを温めて追求してほしい」とエールを送る。
上田さんは「(授業の中で)学生が思いがけず転機になりそうなことや、予感を聞かせてくれることもあった。地域の人たちが開示してくれた人生を元に自分の歩みを編集してくれれば」と期待を込める。