
県内外で活動するクリエーターたちが参加する「淡海奇譚(おうみきたん)芸術祭」が10月26日、豊郷小学校旧校舎群(豊郷町石畑)で開催される。主催はびわ湖芸術文化財団と長谷佑美さん。
当日は廊下にクリエーターたちが出展。滋賀県内のクリエーターも多く参加する=豊郷小学校旧校舎群
イベントを企画したのは、グラフィックデザイナーでアトリエモルフェ代表の長谷さん。長谷さんは、中学生の頃から創作活動に親しみ、ものづくりの世界に深く関わってきたという。これまでは大阪を中心にイベントの企画や出展を行ってきたが、結婚や出産を機に地元・滋賀で活動の場を模索するようになった。しかし、地方では個性的な表現の場が少なく、クリエーターが活躍し続けることの難しさを痛感していたという。
「地方に行けば行くほど、個性的な人が輝ける場所が少ない」と長谷さんは話す。「ゴシックやロリータ、ファンタジーなど既存のジャンルにも収まらない独自の作品を作る人々が、居場所を見いだせず活動に合う発表の場が見つけられない状況を目の当たりにしてきた」とも振り返る。「モヤモヤを抱えるクリエーターたちが、滋賀でも希望を持てるような場を提供したい」という思いが、この芸術祭の原動力になったという。
ヴォーリズ建築の豊郷小学校の旧校舎内の廊下や教室では約50組のクリエーターが、作品展示や販売、作品作り体験のワークショップを行う。校舎内の観光案内所は飲食可能エリアとし、持参した食事を取ることもできるようにする。
校舎の広場では、「Yotsuba coffee stand」(大津市)やアクセサリー&焼き菓子店「Trois(トロワ)」(長浜市)のテントが、駐車場ではキッチンカーが4店が、それぞれ出店する。
講堂のステージエリアでは、ドラッグクイーンの牡丹(ぼたん)さんによる平成のヒットソングに合わせたダンスショー、デザイナーの8.2さんと彦根総合高校吹奏楽部によるファッションショー、雫Lab.による朗読劇が披露される。リラクセーションブースでは「執事整体」も体験できる。
長谷さんは、「豊郷小学校という歴史ある空間に、ユニークで、どこか愛らしい作品が並ぶ。当日はクリエーターとの交流も楽しんでほしい。誰もが楽しめる空間だと思うので、ぜひお越しいただければ」と呼びかける。
開催時間は10時~16時。入場無料。