
障害児向けの福祉機器展示会「滋賀こども福祉機器展」が9月20日、愛荘町立福祉センターラポール秦荘(愛荘町安孫子)で開催され、85組225人が来場した。
出展ブースで説明を聞く家族連れの来場者=滋賀こども福祉機器展
滋賀県理学療法士会湖東ブロックの主催で、初めて開催された同展示会。会場内では、車いすや座位保持装置、装具、リフト、コミュニケーション機器などを扱う24社が出展。衣服、医療的ケアアイテムなどのブースもあった。来場者は説明を受けたり、実際に体験したりしながら、理学療法士に相談する様子が見られた。
東近江市在住の高木愛さんは「子どもが通う養護学校から案内をもらい参加した。インソールの話を聞いて、作ってみたいと思った。子どもは海にも入ることができるバギーにとても興味を持っていた」と話す。
ほかにも福祉車両の展示や、ボッチャ・モルック・アーチェリーなどのスポーツ体験、小児がん支援活動を行う「レモネードスタンドすまいる」のブースなどもあった。
障害当事者やさまざまな分野の学生が協力して、困り事の解決に取り組むプロダクト開発を行うTOM JAPAN関西支部のメンバーで、神戸大学医学部の芳賀麻子さんは「子ども向けのプロダクトを製作したいと思っており、今回声をかけていただき出展した。いろいろなブースを見て、たくさんの声を聞くことができた」と話す。
同展示会を企画した理学療法士の北川哲也さんによると、このような展示会は滋賀県内で開催されることが少なく、湖東圏域では初めての開催だという。医療的ケア児や重症心身障害児が遠方に行くことの難しさがあり、ほかの業者の福祉機器について知る機会が少ないことから、「当事者家族や医療従事者などの関係者がつながりを構築できる場になれば」という思いから企画したという。
北川さんは「滋賀でこのような機会はなかなかなく、来場者から喜びの声を頂くことができた。当事者家族だけではなく、リハビリ職や相談支援専門員、行政関係者などにも情報を届けることができ、これからも毎年開催できたら」と意欲を見せる。