ブラジル人など外国人世帯が住む賃貸住宅「ビレッジハウス川瀬」(彦根市川瀬馬場町)の住民を対象にした防災イベントが11月25日、敷地内で開かれ、外国人と日本人が一緒に災害時の対応を学んだ。
イベント後半では「かまどベンチ」のお披露目と併せて豚汁を振る舞った=「ビレッジハウス川瀬」防災イベント
同住宅には57世帯が居住し、外国人21世帯(うちブラジル人14世帯)が入居している。同イベントは管理会社のビレッジハウス・マネジメント(東京都港区)が、地震発生時に外国人でも適切な行動ができるように企画。昨年9月に兵庫県加東市で、今年9月に愛知県豊田市で同様の防災イベントを開催。滋賀県内で初となる今回は、日本人や外国人住民ら11人が参加した。
管理会社のポルトガル語通訳担当者の通訳を交え、元彦根市消防本部消防長で県地域防災アドバイザーの笠原恒夫さんが地震発生時の初動対応、避難の仕方、日本での避難所生活のルールなどを解説。実際の避難場所までの道順も動画で確認した。最後に笠原さんの「地震だ」の号令で、参加者たちが椅子や机の下に入る「シェイクアウト訓練」を行った。
イベント後半では彦根工業高校の生徒たちが敷地一角に製作したレンガ造りの「かまどベンチ」を披露し、管理会社が用意した豚汁を振る舞った。
参加した外国人入居者からは「今まで防災について学ぶ機会がなかったので、いい機会になった。実際に避難した時の過ごし方や日本の避難所の様子などが知れて良かった」「地震に備えてあらかじめ準備しておくべきものが分かった」などの声が聞かれた。
同社関西支社 PM部 部長の日高広彰さんは「日本での災害時でも安心安全に過ごしてもらえるように企画した。今後も定期的に災害が発生した時に必要な手順や情報を伝えていきたい」と話す。