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ウクライナの子どもたちに漫画を 彦根のウクライナ人女性が協力呼びかけ

プロジェクトを始めたカテリーナさん(写真提供=The Faina)

プロジェクトを始めたカテリーナさん(写真提供=The Faina)

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 彦根市在住でウクライナ人のヤボルスカ・カテリーナさんが12月25日、戦禍にいるウクライナの子どもたちに希望や楽しみを持ってもらおうと、日本で作る漫画を届けるプロジェクトのクラウドファンディングを始めた。

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 ウクライナ出身のカテリーナさんは日本人の菊地崇さんと結婚し、2021年、彦根に移住。ほどなくして、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、カテリーナさんの母イリーナさんと祖母が日本に避難したが、現在も父のローマンさんは一人、ウクライナに残っている。

 カテリーナさんは、戦争が長期化する中、希望を持てなくなっている子どもたちに「心に希望を与えられるような支援ができないか」と考え、ウクライナの孤児支援団体「Ilia Hrabar Charitable Foundation(イリヤ・グラバー記念基金)」に連絡。代表のナザールさんの思いに共感し、ナザール兄弟を題材にした漫画を届けるプロジェクトを立ち上げることにしたという。

 ナザールさんは戦争により実兄を失い、自身も負傷し現在も闘病している。ナザールさんはカテリーナさんに、「亡くなった兄や仲間たちの思いや勇敢さを皆に知ってもらいたい。悲惨さや恨みに焦点を当てるのではなく、彼らが家族や国や仲間を守るために戦った覚悟や愛情の強さを伝えたい。そのような物語を読むことで、人々は平和に対する感謝や生きることの尊さを感じ、人生をより楽しむことができるでしょう。私は、憎しみの連鎖を断ち切るために、相手を愛することの重要性を伝えたい。そのために人気のある『日本の漫画』が最適」と話したという。「『日本の漫画』で『この戦争が憎しみで語られないように、愛の強さを語り継ぐ形』を作りたい」とも。

 漫画の脚本は、イリヤ・グラバー記念基金が構成、漫画は国際的な学生漫画コンクールに入賞した高校生たちと協力して制作する。蜂蜜を原料とし、ウクライナの伝統模様を彫刻した琥珀(こはく)色の卵型のキャンドル「CEoW(セオウ)」(=ウクライナ産)をリターン品の一つに用意する。戦争終結が宣言される日、または翌日の22時(日本時間)、彦根のウクライナ料理店「The Faina」でキャンドルの点火式を行い、ライブ中継を予定している。

 カテリーナさんは「このプロジェクトが国という枠を超えた、同じ社会の同じ『市民』として、支え合える新たな形となることを心から祈っている」と話し、協力を呼びかける。

 クラウドファンディングはキャンプファイヤーで、2月26日まで受け付ける。

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