滋賀県立大学3年の井上凜さんが現在、eスポーツ施設「expand」を立ち上げるのに際し、クラウドファンディングで機材支援への協力を呼びかけている。
同大人間文学部地域文化学科に通う井上さん。滋賀県出身。幼い頃からゲームが好きな少年で、中学生になると毎日eスポーツ観戦を行っていたという。その頃、部活動で精神的に辛い状況が重なり起き上がれないほど追い詰められた経験を持つ。そうした状況を救ったのが「eスポーツ」だった。
井上さんは「ユーチューブでeスポーツの大会を目にし、大きな会場でたくさんの人が自分の好きなチームを全力で応援する姿を見て、こんなに熱くて面白いことがあるなら落ち込んではいられないと命を救われた思いだった」と当時を振り返る。大学生になってからはコミュニティー大会に出場し優勝も経験。仲間と協力し、大会に勝つためにさまざまなことを研究したり自主的に動くことが求められるeスポーツは、「人を成長させる可能性があることに気が付き一層魅力に引かれた」という。
大学の授業で、自身の経験を踏まえ「eスポーツを知ってもらえる環境を提供し、『人とのつながりを経験できる場を作る』」というビジネスプランを発表したところ、周りからの応援もあり起業を決意。現在、大学を休学して施設開業へ向け準備に取り組んでいる。
井上さんは「自分はeスポーツに命を救われ今がある。同施設を同じような境遇の子どもたちも安心して楽しめる場としたい。質のいい機材をそろえた質のいい施設でゲームを体験してもらい、周りの方にもeスポーツの熱さや本来の姿を知ってもらえれば」と話す。「イベントや大会を開催することによって認知度やイメージを上げていきたい。人とのつながりをゲームを通して経験してもらい、不登校や引きこもりの子どもたちの支援につなげたい。ぜひ力を貸してほしい」と協力を呼びかける。
支援額は1,000円から。クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で1月15日まで受け付ける。