
ニホンミツバチの養蜂活動に取り組む「木工房328」(彦根市鳥居本町)が現在、蜂蜜採取(春蜜)の時期を迎えている。
10年以上「ニホンミツバチ」の養蜂活動に携わっている代表の北川世司夫さんは、鳥居本町内に設置した巣箱から巣の一部を切り取り、工房へ持ち帰った後、巣をつぶして蜂蜜を採取する。ニホンミツバチはセイヨウミツバチに比べ、おとなしく、体が小さいのが特徴。
蜂蜜の採取は6月下旬~7月上旬と9月下旬とに行われる。北川さんは鳥居本地区に約150個の巣箱を設置しているが、ニホンミツバチが実際に巣を作るのはそのうち約30個で、今の時期に採取できる巣箱は10個ほどしかないという。
北川さんは「活動を始めた頃は、蜂蜜が欲しいという気持ちが大きかったが、ハチがいなければ蜂蜜は採れない。そこで、ハチを大事にして、ハチが暮らしやすいような環境に整え、ハチが増えるような活動にシフトしている」と振り返る。
ニホンミツバチを守るため、巣ができて困っている家庭には「殺虫剤を使わないでほしい」と伝え、無償で蜂の巣を取りに行くこともあるという。長年守り続けているニホンミツバチについて、北川さんは「私の社員」と愛情を込めて語る。
採取した蜂蜜は、「ひこねで朝市」など地域のイベントにブース出店して販売している。北川さんは「大切に守ってきたミツバチからの贈り物を、『ハチさん、ちょっとごめんね』という気持ちで頂いている」と話す。