
認知症カフェ「HOTカフェんde(ほっとかへんで)大藪」のオープニングセレモニーが7月7日、「憩いのカフェ綾」(彦根市大薮町)で開かれた。
認知症カフェは、認知症の人やその家族、地域の人、福祉の専門職員などが気軽に集い、交流や相談ができる場所で、市内には現在4カ所ある。いずれのカフェも「HOTカフェんde」と名付け、認知機能の低下を「放置しない」という思いと、認知症の人やその家族を温かくサポートする思いを込める。
店主の吉森綾子さんは、2015(平成27)年4月に持ち家を改装して「憩いのカフェ綾」をオープン。次女の阿野久容さんがカフェの2階で高齢者向けの「いきいきサロン『ぷくぷく』」を週2回、開いている。
サロンの参加者から「認知症カフェ」を提案され、「『カフェ綾』がいろいろな人の居場所となり、母である綾子さんの生きがいにもなれば」と考え、昨年の春ごろから市に相談しながら準備を進めてきたという。スタッフは綾子さんと2人の娘、さらに綾子さんの妹とその娘、合わせて5人。
オープニングセレモニーには、利用者や市の担当者、地域包括支援センターや認知症HOTサポートセンターの職員ら約25人が参加した。
ケアマネジャーに誘われて参加した大薮町在住の中村繁樹さんは「家に閉じこもりがちで、あまり人と話すことがないが、こういったカフェがあると外に出るきっかけになる。また夫婦で来られたら」と話していた。
当日が米寿の誕生日だった綾子さんと久容さんは「地域の人が笑顔になってホッと安心でき、みんながつながる場所になれば」と意気込む。
彦根市高齢福祉推進課の保健師・吉田弘子さんは「認知症の有無にかかわらず、どなたでも気軽に集まれる地域の居場所を今後も広げていきたい」と話す。
認知症カフェは今後、毎月第1・3月曜の13時~15時。相談無料。カフェセットは400円。カフェ綾の営業時間は10時~16時。木曜・日曜定休。認知症カフェ開催日は通常のカフェ営業は行わない。