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彦根で地域活性化ワークショップ 近江鉄道沿線の魅力探る

公共交通機関(電車・バス)を使ってまち歩き(銀座商店街)

公共交通機関(電車・バス)を使ってまち歩き(銀座商店街)

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 近江鉄道沿線の活性化を目指す「沿線を電車でめぐってつながるMLGs(マザーレイクゴールズ)交流ワークショップ」が7月13日、彦根駅を出発点として開催された。

日野駅の「日野駅舎なないろ」で記念撮影

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 当日は、約20人の参加者が近江鉄道を利用し、「銀座商店街と花しょうぶ通り」(彦根市)、「桜川駅」(蒲生町)、「日野駅舎なないろ」(日野町)の3つの拠点を巡り、地域の魅力や課題を共有した。

 最初の訪問地である彦根の銀座商店街では、彦根コミュニティーカフェ「On Your Mark(オンユアマーク)」店主の忠田季空さんが商店街の歴史を解説。かつては対岸の高島市から渡し舟が出るほど栄えていた当時のにぎわいを伝えるとともに、現在は学生フェスなどを通じて活性化に取り組んでいることも紹介した。

 続いて、滋賀県立大学元教授・濱崎一志さんの案内で、江戸時代の建物が残る「花しょうぶ通り」を散策。江戸時代の地割りを踏襲した町並みや昔ながらの防火対策など、地域の歴史に根ざした独自の工夫について、参加者らは熱心に耳を傾けた。

 その後、「ひこね芹川駅」から近江鉄道で「桜川駅」まで移動。桜川駅保存活動プロジェクトチームの西田善美さんから、地域住民による駅の美化活動と子どもに地域史を教える活動について話を聞いた。西田さんは「120年以上ある桜川駅の歴史を子どもたちに伝えたい」と語った。

 最後に「日野駅」に移動し、「日野駅舎なないろ」を訪問。施設を運営する一般社団法人「こうけん舎」の西塚和彦さんによると、一時は駅舎取り壊しの危機にあったが、住民の寄付によって新駅舎として再生。観光案内やカフェ機能も備え、地域に深く愛される拠点になっているという。

 ツアーの最後にはワークショップを行い、今回の体験で感じたことや課題を参加者間で共有した。「彦根市や近江鉄道の魅力が十分に伝わっていない」「観光客向けのパンフレットが欲しい」などの課題のほか、「沿線の歴史や時代背景など、ネットでは得られない知識を得ることができて楽しかった」という声も上がった。

 同ワークショップを企画した「やさしい交通しが」の南村多津恵さんはMLGsと環境問題にも触れ、自動車は鉄道の約6.7倍ものCO2を排出することから、公共交通機関の利用促進の重要性を強調した。

 締めくくりに、同ワークショップの案内を務めた山田和昭さんは「公共交通機関の利用が増えれば、まちを歩く人が増え、環境もまちも良くなる。みんなでまちを楽しく、にぎやかにしていこう」と力強く呼びかけた。

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