彦根の洋食店「グリルフレーバー」が9月21日、創業60周年を迎えた。
1963(昭和38)年に、現店主の祖父・馬場啓爾(けいじ)さんが現在の場所に同店を開業。それから60年、家族で店を切り盛りしてきた。祖父が亡くなった後は、長年祖母がホールに立ち、父の寿雄(としお)さんが調理を担当してきた。現在は康爾(こうじ)さんが店を継ぎ、寿雄さんと共に昔からの味を提供している。同店の自慢は手間暇かけて作るデミグラスソースと和牛を使ったハンバーグ。デミグラスソースは、野菜や牛肉を1週間ほどかけてじっくりと煮込み作っている。
店内は60年前から大きく変わらない内装で、家具も創業以来のものが使われている。席数は1階35席、2階70席の計105席。カウンター席とテーブル席を設け、ランチ時には常連のサラリーマンや地元客が多く来店する。「最近では常連だけではなく、若い人や女性も増えてきた」と康爾さんは話す。
メニューは、ナポリタンの上にハンバーグをのせ、デミグラスソースをかけた「ハンバーグスパゲッティ」(1,000円)、エビフライ・ハンバーグ・豚の焼き肉・白身フライ・ポテト・スパゲティなどをワンプレートで提供する「フレーバーランチ」(1,800円)、創業以来からの変わらない定番メニュー「ビーフシチューセット」(1,800円、夜のみ)などを提供する。ドリンクはコーヒーや紅茶、クリームソーダ、デザートも提供する。
店には、祖父の代からの客や、小さい頃に来店し大人になってから訪ねてくる客など、懐かしい顔ぶれも見かける。店には勤続30年の従業員もいる。康爾さんは「店を継いだ時はコロナ禍でもあったので不安が大きかったが、だからこそ『頑張らないと』と強く思った。60年の歴史は重く、これからも祖父からの歴史のあるこの店を守っていきたい」と意気込みを見せる。「昔からの味を守ると同時に、新しい味との組み合わせなども開発していきたい。商店街の活性化にもつながれば」とも。
営業時間は、11時~14時、17時~20時。月曜定休。