彦根の観光名所と着物をかけ合わせ街を盛り上げようと市内有志が立ち上げた実行委員会が12月3日、着物で彦根城を散策するイベント「ひこね着物百物語」を初めて開催した。
イベントの様子。彦根城周辺を着物で散策(写真提供=ひこね着物百物語実行委員会)
かねて「着物」をキーワードに新たな観光コンテンツを確立させたいと活動していた上西正晃さんを中心に集まった有志らから成る実行委員会が企画した。
彦根城をはじめ、歴史のある庭園や映画のロケ地としても利用される街並みがある彦根市。同会メンバーは、「和の趣が残る風情と着物をかけ合わせれば彦根の新たな魅力になるでのは」と考え、着物を着用して観光を楽しんでもらえるようなきっかけを提供し、数年後には「彦根=着物で遊べる街」にしたいと活動を始めた。
上西さんは「歴史のある建物や和の趣がある彦根と着物のかけ合わせを観光の目玉の一つにしたいと思い、7年ほど前から、地元の神社仏閣や企業に着物を観光コンテンツに組み込めないかと相談したり、小さなイベントをいたりしていた」と話す。「同じ思いを持つ仲間も集まり、今後は周りの方に認めてもらえるよう活動していきたい」とも。
当日は彦根市内や滋賀県内外から9人が参加。着物の着付けや貸し出しは、「彦根ゲストハウス淡夢(おうみ)」が協力した。着物姿の参加者は、彦根城周辺や玄宮園を散策したほか、人力車や屋形船を体験したり、近江牛料理を楽しんだりした。
初回は、彦根城周辺のアクティビティーも広く知ってもらおうと、主催者が用意した行程に合わせ、着物姿で彦根城周辺を散策してもらったという。「参加者から楽しかったという感想をもらい、手応えを感じた。時間通りに進まないことも多く、今回の改善点を次に生かしたい」と実行委員の中村哲也さんと中園宏隆さんは話す。「今回の様子を写真や動画で配信し、着物を着て楽しむ彦根の街の魅力を発信していく。今後もイベントを通して、『着物で遊べる彦根市』として認識してもらえるよう取り組んでいく。企業も巻き込んで盛り上げていければ」とも。
今後は年に数回、着物イベントを開催。次回は来年の春ごろを予定している。