彦根の花しょうぶ商店街にある元グッズ販売店「戦国丸」(彦根市河原3)がリノベーションし、4月26日にカフェとギャラリーを併設したコミュニティースペースとして再オープンした。
昭和初期に建造された元銭湯「うめ玉湯」の建物を生かし、2007(平成19)年に開業した同店。2018(平成30)年からは別会社が運営するグッズ販売店だったが、2023年夏に移転し、その後は空き店舗となっていた。
長年、花しょうぶ商店街の活性化に尽力してきた「結のまちづくり研究所」代表で滋賀県立大学名誉教授の柴田いづみさんが「歴史ある建物を生かし、地域の人が立ち寄り新たなつながりやアイデアを実現できるような場所として再オープンしては」と発案。商店街や有志の協力を得て、「観光客や地域の人が集い、新たなアイデアが実現できる場所」をコンセプトに、カフェやギャラリーを併設した複合型の施設として生まれ変わった。
DIYを施し以前よりも明るくなった店内は、名古屋学院大学教授の高木直人さんが店主を務めるカフェ「戦国丸珈琲」や、多肉植物やビカクシダを展示・販売するギャラリースペース「NUMA」、誰でも利用できるフリースペース、漫画コーナーを備える。「小さい子ども連れの人も気軽に来られるよう」に授乳室も設けている。旧浴場はコミュニティースペースとして利用、イベントなどにも開放する。花しょうぶ商店街のキャラクター「石田みつにゃん」「嶋さこにゃん」「大谷にゃんぶ」のグッズの販売も予定する。
高木さんは「コーヒーはお客さまの反応を見たり会話をしたりして、いれ方が変わる。いろいろな会話やコミュニケーションを通じて新なつながりが生まれれば」と話す。スペシャルティコーヒー数種類をブレンドした「戦国丸コーヒーブレンド」やシングルオリジンのコーヒーのほか、軽食を提供する。10月ごろには柴田さんが開発に携わっている和リンゴ「彦根りんご」を使ったシードルの提供を予定する。コーヒーのいれ方を手ほどきする「コーヒー教室」も開く。
柴田さんは「店はまだ序曲、音合わせの段階。これから皆さんと一緒に作り上げていければ」と笑顔を見せる。「カフェや小売りなどトライアルで腕を試してみたい人、まちおこしや起業のアイデアを持っている人にこの場を使って挑戦してもらい、地域が盛り上がれば」と期待を込める。「一息ついたり、おしゃべりを楽しんでもらったりするなど、気軽に来てもらえれば。それぞれの思いや夢を一緒に実現できるような場所にしたい」とも。
営業は金曜・土曜・日曜の11時~16時。