彦根市平田町在住の末森清司さんが8月、「わが町平田の歴史とロマンを求めて 平田物語」をサンライズ出版(彦根市鳥居本)から自費出版した。編集は北川司郎さん。
末森さんは1938(昭和13)年生まれ。広島県出身で現在は平田町在住。1970(昭和45)年から「備陽史探訪の会」(広島県福山市)に所属し、広島県内を中心に探訪。その後、滋賀県を中心に近隣県を、2005(平成17)年以後は全国各地の山城を探訪し、主な探訪記を同会の機関誌に投稿してきた。訪れた山城は延べ1000を超えるという。
編者の北川さんは1944(昭和19)年生まれ。滋賀県出身。1982(昭和57)年ごろから地元自治会など各種団体の活動を通じ地域コミュニティーに関わる。2012(平成24)年~2017(平成29)年、「わが郷土 平田の歴史」の編集に参画。2020年には「大沢四方山話 彦根市・平田町大沢の歴史散策」の著作・編集に取り組んだ。
遺跡や寺社仏閣・古い城跡巡りを趣味とし、山城に詳しい末森さんに、「感性と経験と探究心で感じた『平田』を描いてほしい」と北川さんが依頼し、今回の本作りが始まった。「平田物語」は、末森さんが書きためたリポートを北川さんが編集しまとめた第1部と、末森さんが実際に足を運んだ彦根の山城について記した探訪記の第2部から成る。
「実際に足を運び文献や古文書を調べてまとめてある末森さんのメモを見た時は驚いた。末森さんの探究心はもちろん、想像力が素晴らしい。『ロマン』を込めて平田町の歴史を描いてくれると思い依頼した」と北川さん。「この本から、平田町の歴史はもとより、山城を築き戦わざるを得なかった戦国時代の人々がこの辺りに住んでいたことも感じていただければ」とも。
末森さんは「『わが郷土 平田の歴史』を片手に、山城や街中を歩き街並みを眺めていると、いろいろなロマンが見えてきた。いにしえの平田町が見えてくるようで、もっと知りたくなって、いろいろ調べたりして思いをはせた。実際に町を歩き、知ることによって、ふるさとの良さや住んでいる地域の素晴らしさを感じることができる。『住めば都』だと思う。自分は広島県出身だが今では本当にこの町が好きで、後世にこの町の良さを伝えたい」と話す。
仕様はA4判、全80ページ。本は市内図書館へ寄贈している。