
滋賀県で今秋開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」に向けた炬火(きょか)イベントが6月22日、金剛輪寺(愛荘町松尾寺)で行われた。
開会式では、有村国知愛荘町長が「町の観光名所である金剛輪寺で炬火イベントを開催できることをうれしく思う。今大会をさらに後押しするきっかけとなってほしい」と大会への期待を込めた。
火おこしでは、小中学生が伝統的な「マイギリ式」による火おこしに挑戦。交代で火おこし器を操作し、慣れない手つきながらも真剣な表情で木をすり合わせる姿に、参加者や見守る保護者から拍手と声援が送られた。白い煙が立ち上がり、火がついた瞬間には、会場全体から歓声が上がった。
火おこしに挑戦した珠久湊さん(中学3年)は汗をぬぐいながら、「力が必要で、明日は筋肉痛になりそう。皆と協力・連携することの大切さを実感した」と達成感をにじませた。
炎は炬火としてトーチに移され、炬火リレーへと引き継がれた。炬火リレーには、公募で選ばれた9歳~75歳の総勢21人のランナーが参加。1981(昭和56)年開催の第36回国民体育大会(びわこ国体)で炬火リレーに参加したという宇野幸一さんは「びわこ国体では、予備のトーチを持って走った。当時は30代。44年ぶりの今回も、参加できて良かった」と喜びを語る。
全てのランナーによって本堂までつながれた炬火は、特設された炬火受け皿に点火され、参加者からは歓声が上がった。
最終ランナーの川口瑛士さん(中学2年)は「国スポ・障スポを通じて、いろいろな方とつながりたいと思い参加した。今回、たくさんの人に拍手をもらい、見守っていただけたことがうれしい」と話す。
その後、本堂前では炬火の命名式が行われ、町内の小中学生から応募された炬火名称の中から、最優秀作品と優秀作品の受賞者に賞状を授与。炬火名称の最優秀作品は「火をともせみんなの思い矢にこめて」。愛知高校書道部が、この名称を毛筆で力強く書き下ろした毛筆作品も披露し、会場は拍手に包まれた。
今回採火された炬火は、開会式で聖火台に点火され、選手たちの活躍を見守る炎となる。
わたSHIGA輝く国スポの大会会期は9月28日~10月8日。愛荘町ではアーチェリー競技が行われる。