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彦根に「人工乳房」のフィッティングサロン 乳がん手術で悩みを抱える人に

店主の西村絵里加さん

店主の西村絵里加さん

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 彦根のエステサロン「FY」(彦根市錦町)が、乳がん手術により悩みを抱える人向けの人工乳房・人工乳首のフィッティングサロンを新たに併設して、8月1日で3か月がたった。

エステサロン「FY」の外観。同店にナチュラルブレスト「人工乳房」のフィッティングサロンを併設。

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 店主の西村絵里加さんは彦根出身。大学卒業後は教育や福祉の分野で仕事をしてきた。「人に寄り添う」ことの多い仕事を経験する中で、「一人一人の悩みに応じたサービスを提供したい」との思いが募り、以前から興味があり、勉強を重ねていた美容・健康分野で起業。今年3月にエステサロンをオープンした。

 エステサロンをオープン後、西村さんは乳がんを患った知人から、「人工乳房」について相談されたことをきっかけに、摘出手術を受けた後も、治療による外見の変化が心に負担がかかり悩んでいる女性が多いことを知った。さらに調べていくうちに、人工乳房の役割についても知ることになり、フィッティングサロンの併設を決めた。

 取り扱うのは、乳がんの手術で乳房を切除した人向けに作られた「ナチュラルブレスト」(福岡市博多区)のシリコン製の人工乳房・人工乳首。さまざまな形や色が用意されていて本物のような質感や外観をしている。接着剤がなくても肌にしっかり密着し、専用の接着剤を使えば温泉やスポーツの時にも安心して使えるという。

 客は「ナチュラルブレスト」から人工乳房について説明やカウンセリングを電話で受けた後、サロンに来店。サロンでは、個人の状態に合わせた人工乳房のサンプルを数種類取り寄せてあり、実際に装着したり使い心地や色などを確認できたりする。

 西村さんは「出来上がった人工乳房を試着した時に見せたお客さまの笑顔が印象的で、心に残っている。『ずっと我慢していた温泉にも行けそう』だと喜んでもらえ、私も自分のことのようにうれしかった。お客さまが前向きになれるようなきっかけづくりの一つになれるよう、丁寧に寄り添っていきたい。いつか、同じような病気を経験された方のコミュニティーができるような、温かいサロンになれれば」と話す。

 西村さんは母親が「がん」を患った経験を持つ。「母が一番つらい思いをしていたのだが、当時学生だった自分も不安で辛かった。その時の経験が、今の気持ちに通じている。元気になった母と一緒に店に立てれば」とも。

 人工乳房は「セミオーダーメード」(1個19万8,000円~)と「フルオーダーメード」(同39万8,000円~)を用意する。ほかにも、「オーダーパッド」(同6万円~)、「人工乳首」(2個2万9,800円~)がある。

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