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彦根に「サイエンスを身近に楽しめる」古書店 カフェや実験室も

店主の河嶌さん夫婦。和子さんと敬治さん 

店主の河嶌さん夫婦。和子さんと敬治さん 

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 河嶌敬治さん夫婦が長浜市内で営んできた古書店「古書&カフェ ルーペ舎」が4月20日、彦根市京町に移転オープンした。

店の一角にある実験スペースの様子=「ルーペ舎」

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 店内には、河嶌さんが研究してきた生物学や数学・地理などの理数系の専門書や図鑑を中心に、宗教・歴史・哲学などの人文関連の書籍、一般の書籍、絵本など約3000冊が並ぶ。ほかに、フォークソングやポップソングなどのレコードや趣味で集めたレトロな雑貨も扱う。妻の和子さんがドリンクや軽食を提供するカフェを併設し、コーヒーなどと一緒に購入した本を楽しめる。

 大学時代から、アメーバ状の体からキノコのような形に変わり胞子を作る粘菌(ねんきん)に興味を持ち、卒業後も趣味で菌の研究や観察を続けてきた河嶌さん。中学校で理科教師を務めた経験を持つ。定年後、第二の人生を考え「自分が好きなこと(=実験)を続けられて、昔から好きだった古本を扱う仕事ができれば」と思い、夫婦で古書店を営むことを決めたという。

 店の一角には、河嶌さんが普段「変形菌」を育て観察している実験スペースがあり、客は顕微鏡をのぞいたり、実験器具や「ニュートンのゆりかご」「ガリレオ温度計」などの理科雑貨を手に取ることができる。河嶌さんは「気軽にサイエンス(科学)を楽しんでもらえれば」と笑顔を見せる。今後は、身近な題材で実験や観察、工作の体験、ルーペを片手に野外採集などを行う「サイエンスカフェ」の開催も予定する。

 古書の魅力について、河嶌さんは「昔の本の魅力は気骨があるところ。何十年も前の本でも、今の本のベースになっていることも多く色あせない。本を読んでいて、手書きのメモが走り書きされているのを発見したりすると、その当時にその本を手に取っていた人の熱い思いが伝わってくるのもいい」と話す。

 河嶌さんは「子どもたちに本の魅力や身近な科学の楽しみを伝えていきたい。古くてもいい本がいっぱいあるので遊びに来てもらえれば」と呼びかける。

 営業時間は10時~18時。月曜・金曜と第3日曜定休。駐車場なし。

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