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彦根・足軽組屋敷エリアに「すずみあん」 湖東焼の土鍋で炊きたてご飯提供

店主の湯浅清さん、葵さん夫婦

店主の湯浅清さん、葵さん夫婦

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 湖東焼の土鍋で炊き上げるご飯を提供する「SUZUMIAN(すずみあん)」(彦根市芹橋2)が5月1日、足軽組屋敷エリアにオープンした。

ある日のメニュー=土鍋ごはんSUZUMIAN(すずみあん)

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 1787年に建てられた「林邸」を改築した歴史的建造物である同店は、連子戸など、当時の足軽組屋敷の面影を残す趣のある空間が特徴。再興湖東焼窯元、陶芸家・中川一志郎さん作の湖東焼の土鍋で炊き上げるご飯と季節の小鉢を提供する。

 店を切り盛りするのは、今春結婚したばかりの湯浅清さん・葵さん夫婦。店を開くために清さんが一足先に彦根に移住し、葵さんはこの春から彦根で新たな生活を始めた。

 以前は会社員として働いていた清さん。「料理が好きで、いつか自分の店を持ちたいと考えていた」と振り返る。中川一志郎さん主宰の陶芸教室に両親が参加していた縁から、中川さん作の土鍋で炊いたご飯を食べる機会があり、そのおいしさに感銘を受けた。「この土鍋で炊いたご飯を多くの人に届けたい」という強い思いが開店につながったという。昨年9月から、限定で店を開け少しずつ準備を進めてきた。

 メニューは「土鍋御膳」(2,200円)。湖東焼の土鍋と五徳で滋賀県産の「みずかがみ」(1合)を客席で炊く。土鍋と五徳は、中川さんが鍋底の薄さや火との距離を緻密に計算し焼き上げた特注品で、炊飯時間9分、蒸らし時間10分でご飯が炊き上がる。米はしっかりと吸水させ、米本来の甘みとふっくらとした食感を引き出す。清さんは「ふっくらとした米本来の味を出すため、何度も試作を繰り返した」と振り返る。

 旬の野菜を使ったサラダと小鉢の前菜、炊きたてのご飯に合う滋賀県産の素材を生かした総菜4種、瀬田しじみを使ったみそ汁、卵かけご飯用の生卵を添える。

 清さんは「これまでお客さまと直接お会いする機会がない仕事をしてきたが、今はお客さまの笑顔を直接見られて本当にうれしい」と話す。葵さんも「お客さまから『おいしかった』という温かい言葉を頂くと、この上ない喜びに感じる。知らない場所で新しい生活を始めることに当初は不安もあったが、今はとても楽しい」と笑顔を見せる。

 2人は「歴史的な建物の中で、歴史を感じる湖東焼の土鍋や食器でゆっくりとご飯を楽しんでもらえれば。お客さまが笑顔になってもらえるような店を目指していきたい」と話す。

 営業時間は11時~16時。火曜・水曜定休。

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