愛荘町の令和8年度地域おこし協力隊委嘱式が6月1日、愛荘町役場で行われ、3人が新たに着任した。
北海道、京都府、大阪府から、それぞれ移住してきた3人は、シェア型書店、コワーキングスペース、発酵と農業という異なる専門性を持ち、地域に新しい風を吹き込もうとしている。
式では有村国知町長から委嘱状が手渡された。有村町長は「それぞれに人生経験をお持ちで、覚悟を持って来ていただいた。自分という個性を存分に出してほしい」と歓迎の言葉を述べた。
北海道札幌市から着任した江上良子さんは、シェア型書店、街の出版社、コミュニティーカフェを融合させた場づくりに取り組む。「本が好きな方だけでなく、ご飯を食べたいだけでも来られる。チャレンジの場にもなれれば」と話す。長女が信楽に住んでいることがきっかけで滋賀と縁が生まれ、「歴史と新しさがちょうどよく共存している」と愛荘町を選んだという。「あそこに行けば誰かに会えて楽しい話が聞ける、毎日行きたいと思える場所にしたい」と意気込む。
京都府木津川市から2人の子どもと家族4人で移住した高山純史さんは、コワーキングスペースを核に、棚シェアリングや講座運営など複合的な活動を展開する予定。子連れや犬連れでも気軽に使え、多様な人が集まれる拠点を目指す。地場産業や伝統工芸との連携も視野に入れる。「住民が自信を持って『愛荘町に住んでいる』と言えるきっかけをつくりたい」と語り、任期後も長く町に根を張る覚悟を示した。
大阪府門真市から移住した富山由香理さんは、発酵と郷土料理を通じて地域の食文化を守り、発信する活動に取り組む。前職では発酵調味料を使った料理教室を運営した。「郷土料理は発酵と結びついている。作り手がいなくなる前に、食べて・体験して・作るというサイクルで次の世代につなぎたい」と話す。愛荘町の米と水を使った奄美発祥の発酵飲料「ミキ」の商品化も目標に掲げる。「愛荘町の皆さんの健康に役立つことと、町外からも多くの人が訪れるきっかけをつくりたい」と抱負を語った。
愛荘町はローカルベンチャーの誘致・育成に取り組んでおり、今回の3人の着任はその流れをさらに広げるものとなる。