学ぶ・知る

彦根・埋木舎で井伊直弼の子孫 お茶を通して「おもてなしの心」伝える

埋木舎を見学する一行

埋木舎を見学する一行

 幕末の大老・井伊直弼の次女・弥千代(1846~1927)のひ孫に当たる松平洋史子さんが7月17日、直弼が青年時代を過ごし、弥千代が生まれた場所としても伝わる彦根市尾末町の埋木舎(うもれぎのや)を訪問した。

お点前を見せる松平さん

[広告]

 松平さんは、自ら考案した茶道用の茶箱「松平法式 I for you 宙」を使ったお点前も披露。直弼の茶の湯の精神に思いをはせながら、一服の茶を通して「おもてなしの心」を伝えた。

 弥千代は1858年、高松藩松平家の松平頼聡に嫁いだ。しかし、その2年後の桜田門外の変で父・直弼が暗殺されると、反直弼派による処分が松平家にも及ぶことを案じ、頼聡と離縁。その後、幕末から明治維新という激動の時代を経て、1872(明治5)年に再び頼聡と結ばれた。茶人として知られた直弼の薫陶を受け、弥千代も幼い頃から茶の湯に親しんだと伝えられている。

 松平さんは、松平家に代々伝わる生き方の教本「松平法式」を継承しながら、大日本茶道協会3代目会長などを務める茶道家。海外でも気軽に茶道を楽しめるよう、茶道具一式を収めた漆器製の茶箱「松平法式 I for you 宙」を考案した。国内だけでなくアメリカやフランス、台湾、香港などでも紹介し、日本文化の普及に取り組んでいる。

 この日の訪問は、友人で脚本家の田渕久美子さんがドラマの構想を練るため彦根を訪れるのに合わせて実現したもの。井伊家18代当主の井伊直岳さんや、埋木舎副当主の大久保忠治さんの案内で、庭園や弥千代が誕生したとされる「お産の間」などを見学し、井伊家ゆかりの歴史に触れた。

 見学後は居間に茶席が設けられ、音楽が流れる中、松平さんがお点前を披露。茶箱から一つずつ道具を取り出して並べながら、茶道には人を思いやる心が込められていることを丁寧に伝えた。抹茶を味わった井伊さんや大久保さん、田渕さんは熱心に耳を傾け、日本文化の奥深さに触れた。

 松平さんは「道具を通して、おもてなしの心を伝えることができた。先祖の弥千代さんも、きっと喜んでくれたはず」と話し、歴史と茶の湯をつなぐひとときに思いをはせた。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
ALL