がん治療による外見の変化に悩む女性や、育児に追われて自分の時間が取りにくい女性を対象に、ひと時だけ「なりたい自分」に変身する「大人女子変身企画」が5月31日、彦根市内で実施された。
企画したのは、彦根市内で活動する市民団体「With Mamma(ウィズマンマ)」。乳がんを経験した人への支援や、早期発見・治療の啓発に取り組んでいる。同企画は、がん治療で生じる外見の変化にストレスを感じる人や、育児でなかなか自分の時間が持てない女性に、ひと時だけでも「なりたい自分」に変身する体験を通じて、自信や自分の時間を取り戻してもらうことを目的に始まった。
これまでに、宝塚歌劇団の役者やアニメの主人公に変身する企画を実施。着付けや化粧は、企画の趣旨に賛同した市内の理容店や貸衣装店が無料で協力している。今回は市内在住の佐藤里沙さんが体験した。乳幼児を含む3人の子育てに日々追われている佐藤さんは、SNSで見かけて憧れていた「ゴミ拾いをするはかま姿の女性」に変身。希望通りのはかま袴姿になり、「たくさんの人が見かけてくれてうれしい」と満足気な表情を浮かべた。
同団体代表の奥出真由美さん自身も過去に乳がんを経験した一人。抗がん剤治療により髪が抜け、肌の色が変わっていく中で、「もう一人の自分になることで、しんどいことをいっときでも忘れ、新たな一歩を踏み出せるような機会をつくろう」と企画。思いをさまざまな人に相談したところ、協力してくれる地域の輪が広がっていったという。奥出さんは「子育てなどでついつい自分のことが後回しになってしまうが、体験を通して自分自身が粋き生き(=生き生き)と、自分を大事にできる機会になれば」と話す。
今後も、病気を経験した人や一歩を踏み出したい人の背中を押し続けたいとする同団体。奥出さんは「もう一人の自分と出会うことで、病気を経験した人や、何かチャレンジしたい人の背中を押せたら」と広がりに期待を込める。