車いすやリクライニング車いすに対応した介護タクシー「繋(つなぐ)」が6月10日、彦根市内で営業を始めた。介護福祉士の森亜由美さんが運営する福祉輸送サービスで、通院だけでなく買い物や墓参りなど幅広く外出を支援する。
介護施設で6年間勤務した森さんは、集団ケアの中で「一人一人のその人らしさに寄り添いたい」という思いを抱き続けてきた。2年前に父が脳梗塞、その後、母が難病を発症。当事者として介護と仕事を両立する中で、「介護の仕事をしていても、自分の親のこととなると、また別問題だと気づいた」と話す。家族が突発的な事態に直面したとき、「少しでもホッとできる時間をもってもらえるように寄り添いたい」という思いが起業の原点となった。
「病院だけじゃない」を掲げ、買い物や墓参り、大切な人への面会など医療機関以外の外出にも対応する。車両は家族が隣に同乗できる環境を重視した。「車いすでも家族と一緒に出かけられる。最後までその人らしい生活を支えたい」と森さんは話す。
地域でのボランティア活動やこれまでの経験を通じて築いたネットワークを生かし、移動支援にとどまらず、利用者の状況に応じて必要なサービスや人を紹介できることも強みの一つ。「いろいろな方との縁があっての今の自分がある。利用者に必要な方やサービスをつないでいければ」と話す。
森さんは「どんな人も自分らしく生きられるよう、私のできることでお手伝いできれば。『こんなことしたいけどどうかな』ということも気軽に相談してもらえれば」と呼びかける。
初乗り500円(0.9キロまで)、加算218メートルごとに100円、迎車料金500円。深夜・早朝(22時~5時)は2割増し。乗降介助料金は、中度(室内~車いす移動)=1,000円、重度(階段・全介助)=2,000円(要相談)。身体・知的・精神障害者、65歳以上の高齢者、運転免許証返納者には1割引を適用する(手帳・証明書の提示が必要)。