江戸時代から彦根の名産として親しまれながら一度は姿を消した「彦根りんご」の復活の歩みを紹介する「彦根りんご20年の軌跡」展が現在、中地区公民館(彦根市大薮町)で開かれている。主催は市民団体の彦根りんご保存会。
20年以上にわたる復活と普及の活動を写真や資料で振り返る内容で、同会は「彦根りんごの歴史と魅力を多くの人に知ってほしい」と来場を呼びかけている。
彦根りんごは和リンゴの一種。江戸時代に朝鮮通信使が彦根に宿泊した際に食材として提供されたとの記録や、彦根藩士がリンゴの苗を買い入れたとする文書も伝わる。明治30年ごろまでは「彦根りんご」として広く知られていたが、昭和初期以降は西洋リンゴの普及に押されて栽培が衰退し、昭和30年ごろまでに絶滅したとされている。
こうした郷土の果樹を復活させようと、市民有志が2004(平成16)年1月に「彦根りんごを復活する会」を結成。各地の研究機関で情報収集を重ね、「平成の彦根りんご」の栽培に取り組んだ。2007(平成19)年11月には地元自治会などと連携し、彦根市中薮町の芹川沿いに農園を開園。その後も栽培や普及活動を続け、2020年1月には団体名を「彦根りんご保存会」に改め、地域の歴史と文化を伝える活動へと発展させてきた。
中地区公民館の会場には、復活に向けた苗木作りや農園整備、近年の収穫祭など20年間の歩みを記録した写真パネル22点を展示。玄関前には栽培中の3年木も置かれており、実際の木を間近で観察できる。保存会代表の八木原俊長さんは「展示を通して彦根りんごや、これまで支えてくださった皆さんとの活動を知ってもらえればうれしい」と話す。
開館時間は9時~17時。日曜・月曜・祝日休館。入館無料。7月11日まで。