麻の体験イベント「愛荘乃麻」が7月4日・5日、近江上布伝統産業会館・ゆめまちテラスえち(愛荘町愛知川)で開かれた。
愛荘町は、国の伝統的工芸品「近江上布」の産地。同イベントは、「古くから続く麻織物の技術に触れ、伝統の麻織物を次世代へつないでいこう」と開催しており、今年で14回目を迎えた。同会館の畑で育った近江上布の原料の一つ「苧麻(ちょま)」を使い、手仕事を体験する。
苧麻から繊維を取り出す「苧(お)引き」では、当日の朝に刈り取った苧麻の茎から、専用の道具を使って繊維を引き出す作業を体験。参加者は真剣な表情で取り組んでいた。
苧引きした繊維から糸を作り、地機(じばた)織りでコースターを作る体験では、引き出した繊維を爪で細かく裂き、結び目を作らずに繋いで一本の長い糸に仕上げる「苧績(おう)み」を体験。糸を「綣(へそ)巻き」で玉状に巻き取った後、地機と呼ばれる伝統の織り機でコースターを織り上げる。慣れない手つきで奮闘しながらも、少しずつコースターが仕上がっていく様子に、会場では「根気がいる作業だが楽しい」などの声が聞かれた。
埼玉県秩父市から参加した女性は、普段は絹で織物をしていると言い、「麻は初めてで、手順が全然違って面白かった。プロの方の作品は美しい」と話していた。彦根や愛荘町の観光もかねていると話し、翌日の藍染めにも参加すると声を弾ませた。
完成したコースターは、茶色や薄緑など糸そのものが持つ自然なグラデーションがそのまま表情になり、出来上がったコースターを手に取った参加者は満足げな表情を見せていた。
今年は苧引き体験などに加え、島根県出雲市の洋裁講師・小林淑美さんによる洋裁レッスンや、パリ在住の華道家・森田浩之さんによるパリ式いけばなレッスン、東近江市のヘルスロイド村で活動するSLOW FABRIC・嶋田拓真さん、三浦優佑さんによる会館で取り扱っている麻生地(ストール)を本藍で染めるワークショップも行われた。