滋賀県の伝統食「ふなずし」作りの講習会が7月3日、鮒富水産(彦根市八坂町)で開かれた。地元住民だけでなく、市外から訪れた家族連れなど13組が参加した。
今回使ったのは、竹島沖の水深約40メートルで獲れたニゴロブナ。内臓を取り除き、半年間塩漬けにした状態のフナが用意された。
参加者は指導を受けながら、フナの表面をブラシできれいに磨き、水分を取り除いた。その後、えらぶたの中に炊いたご飯を詰め、おけの中に米とフナを隙間なく並べていく。最後に殺菌作用があるというササの葉を敷き詰め、漬け込みの工程を終えた。
「ふなずし=独特の強い匂い」という一般的なイメージとは異なり、鮒富水産が手がけるふなずしは、独特の匂いを抑えた「爽やかな味」が特徴。漁師で代表の森善則さんは「かつて県内の料亭から『県外の客が独特の匂いを敬遠してふなずしに手を付けてくれない』と相談を受けたのがきっかけ」だったと振り返る。それ以来、10年もの歳月をかけて試行錯誤を繰り返し、「爽やかなふなずし」を追求してきた。過去には、その味を求め、宮城県や山口県から足を運ぶ参加者もいたという。
10年前から毎年参加している城尾清一さんは「昔は家で漬ける家庭も多かったが、今は減ってしまった。ここで漬けたものは、全国の知人や親戚に配る。皆が心待ちにしてくれている」と話す。
2年ぶりに参加した荒木千春さん親子は「2年前に参加した際、自分で作ったふなずしのおいしさに感動した」と振り返る。長女で小学6年生の和奏さんと次女で小学1年生の陽柊さんは「ふなずしはおいしくて大好き。作業は難しかったけれど、完成が楽しみ」と笑顔を見せた。
今回漬け込んだふなずしは、各自自宅に持ち帰り、重しを載せて熟成させる。12月末には食べ始めることができるが、食べごろは来春の3月~4月ごろになるという。
今後の開催は、7月10日・11日・12日・17日・18日の9時~12時。予約は電話で受け付ける。