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彦根・鳥居本の旧鳥集会所、解体前に「お別れ講演会」

旧鳥集会所

旧鳥集会所

 湖東焼きの絵師「自然斎(じねんさい)」ゆかりの建物で、集会所として使われ続けてきた鳥居本の旧鳥集会所(彦根市鳥居本町)の解体決定を受け、4月30日に「お別れ講演会」が同所で開催される。

自治会の集会や地蔵盆の準備など、自治会活動を支えてきた=旧鳥集会所

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 「旧鳥集会所」は、江戸時代後期から明治初期まで旅籠(はたご)だった、湖東焼き絵師・自然斎の元居宅で、昭和30~40年代ごろから地区の公民館的な場として、役員会や地蔵盆の準備など自治会の日常を長年支えてきた。しかし近年は建物の老朽化や空調設備の不足などから利用が困難になってきたという。今回、耐震性不足などを理由に5月の解体が決定し、建物が姿を消すのを前に、記憶を記録し後世に伝えるための「お別れ講演会」が企画された。

 講演会は2部で構成。第1部では、湖東焼きを研究する柏原宿歴史館の谷口徹館長が、自然斎の仕事と生涯を解説する。自然斎は1821年生まれ。藩窯の素地を用いた上絵付けを手がけ、彦根藩にも作品が買い上げられた記録が彦根城博物館に残る。宿場が廃れた明治以降は高島郡(現・高島市安曇川町)へ移り、1877(明治10)年に57歳で亡くなった。

 第2部では、NPO法人「彦根景観フォーラム」濱崎一志理事長が、建物が持つ旅籠としての構造的な特徴や面影を紹介する。廊下がなく部屋が直接つながっており、奥行きの長い造りで、江戸期の旅籠の姿がとどまっている自然斎旧宅の様子を解説する。

 主催の「鳥居本お宝発見隊」メンバーでサンライズ出版社長の岩根順子さんは「この集会所の形があるうちに皆さんの記憶に残れば」と話す。濱崎理事長は「彦根には多くの歴史的建造物や古民家がまだまだある。そうした古い建造物を、これから保存していける方法を、みんなで考えるきっかけになれば」と期待する。

 宿場の旅人を迎え、地域の寄り合いを支えてきた建物の解体は5月13日に始まる予定。

 開催時間は13時30分~16時(13時開場)。参加無料。駐車場なし。近江鉄道・鳥居本駅から徒歩約5分。

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