彦根市在住の精神科作業療法士で、ラッパー活動名「慎 the spilit(シン・ザ・スピリット)」としても活動する佐々木愼さんが「普通」という価値観を問い直す新曲「ふつうってなに」を制作し、9月25日の「作業療法の日」に合わせて配信を始めた。
佐々木さんは20代から音楽活動を続け、作業療法士の仕事の傍ら楽曲を発表している。
今回の楽曲制作は、愛知県の作業療法士・伊藤竜司さんが代表を務める「Re Design(リデザイン)」と共同で進めた。左側だけ塗られていない公式キャラクター「左パグ」を軸に絵本やアパレルを展開する団体で、半側空間無視のある表現者との共創から生まれたキャラクターだという。共同制作のきっかけは、伊藤さんからのSNSメッセージ。同じ作業療法士という共通点や思いに共感し引き受けたという。
楽曲では作詞とラップを担当し、1番で自身の心境を、2番で社会への呼びかけをつづった。佐々木さんは幼い頃からアレルギーやアトピーがひどく、周囲と違うことがコンプレックスだったという。「それを逆転の発想で表現に変えて、このままの自分でいいんだと思えるようになったのがヒップホップのかっこよさだと思う」と話す。
「普通」を押しつけられて生きづらさを感じる人は身近にも少なくないと、日々の仕事の中で感じてきたという。そもそも「普通」の基準は人によって違うのに、なぜそこに合わせなくちゃいけないんだろう。佐々木さんは、そんな問いを歌詞に込めた。
春に発表した「ぬくもり」では、心の不調を「性格の問題」と片付けられ、孤立を感じる人へ寄り添う思いを込めていた。今回はより力強く背中を押すスタイルにしたという。「それでいいじゃん、そのままでいいんだよって、力強く背中を押せる曲にしたかった」と振り返る。
佐々木さんは、楽曲だけでなく自身がヒップホップを通じて変わってきた姿そのものも「聴く人の背中を押すきっかけになれば」と考えている。「普通じゃないって言われてもいいんじゃないかって思えるように、本人だけでなく周りの人にも届けられたら」と話す。
楽曲は各音楽配信サービスで配信している。