滋賀大学経済学部の学生が「事業承継」をテーマに取り組んだ夏季集中授業の成果発表会・トークセッションが9月15日、長谷川林材(彦根市京町)で開かれた。学生11人のほか、関係者ら10人ほどが参加した。
授業は、家業に入り事業承継を控える長谷川林材5代目の角佳宣さんが、滋賀大学の川崎兼人准教授に自身の状況を話したことをきっかけに企画された。学生は3班に分かれ、「ごされ食堂」の山本理恵さん・山本和佳奈さん、「MiTTS FINE BOOK STORE」の細江恵子さん、長谷川林材の角さんをそれぞれ個別に取材。9月7日~15日の1週間、各班がインタビューを元に強みを分析し、当日、発表した。ごされ食堂班は愛と柔軟性をかけ合わせた「守るために変わる」、MiTTS班は細江さんの「本ではなく文化を売る」という言葉、長谷川林材班は「地域との信頼関係とチャレンジ精神」を、それぞれキーワードに掲げた。
取材を受けた当事者3人も感謝や驚きの声を寄せた。山本理恵さんは「こんな風に客観的にまとめてもらったことはなく、感動しました」と話す。細江さんは「彦根の地域や常連客とのつながりに、この地で店を続ける意味を感じている」と語った。長谷川林材の現社長・角卓明さんは、インタビューを機会に先代の日記などを読み返して事業を見つめ直したと明かし、学生の発表で長男・佳宣さんの意欲を初めて知り、「驚いた」と振り返った。
コーディネーターを務めた角佳宣さんは「家業がある人じゃなくても、自分は承継の当事者なんじゃないかと話していた学生もいた」と、学生の視点に驚いた様子を見せた。学生からは「課題をチャンスに変える姿勢に共感した」「事業承継は仕事だけでなく人生や暮らしの一部だと感じた」などの声も聞かれた。
同大経済学部2回生の平良れんさんは、自身も祖父と父が金属精錬業を営む家の一人っ子。「継がなかったらどうなるんだろうと心の片隅で思っていたが、今回の授業がきっかけで、自分にできることを考えたいと思った」と話す。